広島城は閉城した?閉城前に訪れた日の記録|静かな余韻とカフェ・美術館めぐり

1.広島・市内編:雨の広島、鎮魂の気配と導かれた屏風絵
広島市内を巡る2日目は、広島城から静かなカフェ、そして美術館。
雨の日でもゆっくり楽しめる、落ち着いた観光ルートです。
広島観光の参考になるよう、実際に巡った順番とともに、感じたことを綴ります。
1日目は、宮島で魂を揺さぶられるような体験をしました(▶ 1日目の記事はこちら)。
今回の旅は、大切な親友のための旅でした。
彼女は最近、ご両親を相次いで見送りました。
そして彼女の生まれた土地は、広島。
生まれてすぐに離れたためまったく記憶はないけれど、彼女の魂のルーツが眠る場所へ——祈りを捧げ、心を浄化するための旅として、ふたりで来ることにしたのです。
厳島神社への参拝がいちばんの目的でしたが——旅というのは不思議なもので、目的だけが旅をつくるわけではないのだなと、この2日目に強く感じることになりました。
どんよりとした曇り空の朝から、この日は始まりました。
2.まずは、荷物を預けて身軽に
チェックアウトを済ませ、まず広島駅のコインロッカーへ。
駅のコインロッカーはこちらのサイトに詳しく書いてあります。 → 【広島駅のコインロッカー+手荷物預かり】場所マップ
アプリをダウンロードすると空き状況も見れるみたいですね。→ 広島駅のコインロッカーに「空き状況検索システム」の導入
大きなカバンを預けて、すっきり身軽に。
観光は身軽が基本ですよね(笑)。
広島駅からは路面電車で広島城方面へ向かいます。
3.広島護国神社とは|偶然の出会いと、静かな祈り
広島城の敷地内を歩いていると、神社がありました。
広島護国神社です。

公式サイト(由緒)によると、神社の創建は明治元年12月、戊辰の役で命を落とされた英霊をお祀りしたことに始まります。
その後、大東亜戦争に至るまでの幾多の戦争における戦没者、およそ9万2千余柱の神霊が祀られており、原爆の犠牲となった動員学徒や女子挺身隊の方々約1万柱も含まれています。
また昭和20年8月6日には原爆の炸裂によりすべての御社殿を焼失しましたが、広島市の復興とともに昭和31年、現在の広島城跡に新社殿が造営され、復興を遂げました。
9万2千という数字は、数字ではなくて、ひとりひとりの人生です。
親友の大切なご親族にも、どうか届いていますように——と、静かに手を合わせました。
参拝を終えた直後、ぱらぱらと雨が降り始めました。
浄化の雨になってほしい。
そんなことを、心の中でそっと思いながら
4.被爆したユーカリの木と、マルバヤナギ
境内を歩いていると、2本の木が目に入りました。
爆心地からわずか740メートル。
被爆しながらも、今日まで生き続けているユーカリの木と、マルバヤナギ。


木肌に刻まれた傷跡、幹のうねり。
「壮絶」という言葉しか浮かばないし、その言葉でさえ足りない気がしました。

以前、ライブの遠征で広島を訪れたとき、資料館の中で嗚咽が止まらなくなったことがあります。
今回は旅のテーマが"魂の浄化"でしたから、資料館は工程から外していました。
それでもこの2本の木の前に立って、あらためて痛感しました。
ここは被爆地なんだ。壮絶な記憶が刻まれた土地なんだ、と。
人間の過ちへの、ことばにならない思い。それでも生き続けているこの木への、心からの敬意。
ただそれだけを感じながら、しばらくそこに立ち尽くしていました。

5.広島城天守|閉城まであとわずか、滑り込み拝観
護国神社を後にして、広島城天守へ。
甲冑をかぶれるコーナーや、実際の刀を持てる体験コーナーがあって、さっきまでの厳粛な気持ちを引きずりつつも、気づいたらテンション上がっていました(笑)。
歴史の重みをずしっと感じながら、童心に返って楽しんだ時間でした。


そして——実はこのとき知らなかったのですが、広島城天守は2026年3月22日をもって閉城予定だったのです。
私たちが訪れたのは3月6日。
閉城まであと2週間あまりというタイミングでした。
コンクリートの劣化や設備の老朽化などの問題から、安全面を考慮し、約68年の歴史に幕を閉じることになったとのこと。
知らずして、最後の姿を見届けることができていたなんて。
なんだか不思議な導きを感じます。
今後は「広島城三の丸歴史館」が令和8年度末の開館を目指して整備中とのこと。
もう中に入ることができなくなるのはとても寂しい気がしますが、新しい歴史館がどんな場所になるのかは楽しみですね。
その後、無料で公開されている二の丸もゆっくり拝観した。
それにしても寒い、しかも足腰に来てる~~~💦
6.SOKO CAFÉ|武家茶道が監修する、奇跡のカフェに"吸い込まれた"
城を出たその瞬間、目の前にイカした建物が現れました。
「え、なに、このおしゃれな建物……カフェ!?」
迷うことなく吸い込まれた先は、武家茶道 上田宗箇流が監修するカフェ「SOKO CAFÉ」。
広島城三の丸に位置するこのカフェ、私にとっては完全にドストライクでした。
冷え切った体を温めたい一心で、お薄+生菓子のセットと抹茶ラテを欲張って注文。
抹茶の凛とした香りと、生菓子の繊細な甘さが身体に染みて……長時間歩いた疲れも、この一服でするっとほどけた気がします。


もう一度広島に来たら、絶対また来ます、ここ。
7.ひろしまIPPIN|お揃いのキーホルダーで旅の記念を
SOKO CAFÉに隣接する「ひろしまIPPIN」は、広島の逸品が揃うセレクトショップ。
あれこれ物色していると、親友がかわいいキーホルダーを手にしていました。
見たらわかる、これ絶対好きなやつ!ということで、ふたりでお揃いで購入した鳥居モチーフのキーホルダー。
二人一緒に撮るの忘れました💦

今もカバンを持つたびに、あの旅を思い出します。
8.広島美術館「白の魔法」展|予定外の出会いが、最大のご褒美だった
この後は特に予定を立てていなかったのですが、雨だし寒いし、どうしようかと話していたら——朝、バスを降りて広島城まで歩いていたときに見かけた看板が頭をよぎりました。
「広島美術館で何かやってたよね?」
「白の魔法」展 2025年12月13日(土) ~ 2026年3月22日(日)
https://www.hiroshima-museum.jp/special/detail/202512_white.html
入ってみてびっくり!
モネ、シャガール、ルソー、ピサロ、シニャック、ロートレック、ゴッホ、マティス、ピカソ——。
さらに日本画も!丸山応挙、川合玉堂、上村松園、速水御舟、黒田清輝……。
え、豪華すぎませんか?(しかもコレクションの点数が多い!)
すでにお城で足腰に来ていた私たちは、途中のソファで何度も休み休み……それでも見たい欲が止まらない(笑)。
竹内栖鳳「河畔群鷺」との邂逅
そして展示の最後、ふたりして動けなくなった作品がありました。
竹内栖鳳「河畔群鷺(こうはんぐんろ)」(作品情報はこちら)
川のほとりに群れる白鷺を描いたその作品は、一本一本の線に迷いがない。
極限まで省略されたフォルムの中に、鳥の重さ、水面の静寂、空気の湿度まで感じる。
この境地に至るまで、どれほどのスケッチを重ねてきたんだろう。
ふたりしてしばらく、そこから動けませんでした。
この作品に出会うために、今日この展覧会に招かれたのだと、本気でそう思いました。
9.帰路|新幹線の中で、しみじみと
気づけば15時半過ぎ。
あわてて広島電鉄へ向かったのに、乗りたい電車が目の前で発車してしまいました……!
振り返ったら、広島駅行きのバスがいてラッキー♪
広島は路面電車もバスも便利で乗りやすい。
路線も本数も多くて、観光客にとってとてもありがたい街でした。
広島駅でお土産をたんまり買い込み、17時22分ののぞみで東京へ。
東京駅着は21時15分。
新幹線の車内で、ふたりしてしみじみと旅を振り返っていたとき、親友がぽつりと話してくれました。
まったく記憶がないと言っていた広島という土地に、実はこんな偶然があったのだと。
彼女のおばあさんがあの日、たまたま忘れ物をして市内にいなかったおかげで、直接被爆せずに済んだのだと。
「そのおかげで、今のあなたがいるんだね」
「ほんとに.....そうだよね......。」
そんな言葉を交わしながら、車窓の夜景をしばらく眺めていました。
私自身も、亡き父は長崎出身。
あの日は山に松脂を取りに行っていたため被爆を免れたと聞いています。
それでも原爆手帳を持っていた人でした。
魂のルーツを感じにきたこの土地が、思いがけないかたちで、彼女自身の命の起点ともつながっていた。
そして私もまた、同じような偶然のめぐりあわせの上に、今ここにいる。
ふたりとも、あの日の小さな偶然がなければ、生まれてさえいなかった。
そのことが、じんわりと、深く胸に広がりました。
広島城で感じた、あの木肌の壮絶な記憶。
それが帰り道に、もっと静かに、もっと深く沈んでいきました。
1945年、壊滅に近い状態から、これほど美しく便利な街へ。
この街の美しさの奥には、決して言葉にしきれない喪失がある。
あの日、ここで生きていた人々の痛みと、途絶えたあまりにも多くの人生。
そして、その後を生きてきた人々の長い年月に、ただ静かに思いを寄せました。
復興と発展に尽力されてきたすべての方へ。
そして、あの日を生きた方々と、そのご家族へ。
心からの敬意と、祈りを捧げます。
おわりに|この旅は、まだ終わっていない気がしている
今回の旅、事前の天気予報では「1日目晴れ、2日目雨」。
それを見て、急遽1日目に厳島神社を入れ替えたのが、本当に正解でした。
雨の2日目だったからこそ、美術館に足を向けた。
美術館に行ったからこそ、竹内栖鳳に出会えた。
寒かったからこそ、SOKO CAFÉに吸い込まれた。
すべてが必然だったような、不思議な旅でした。
この記事を書いている今も、ロスを感じています。
厳島神社にもう一度、今度はゆっくり。弥山にも登ってみたい。
SOKO CAFÉでもう一服したい。
あの「河畔群鷺」を、もう一度見たい。
素晴らしい旅でした。
広島市内観光まとめ
■この日のルート
広島駅 → 広島城 → SOKO CAFÉ → 広島美術館 → 広島駅
| 施設・スポット名 | 住所・概要 | 公式サイト |
|---|---|---|
| 広島城 | 広島市中区基町21番1号 2025年3月22日閉城 | 公式サイト |
| SOKO CAFE(ソウコ カフェ) | 広島県広島市中区基町21-7-2 武家茶道 上田宗箇流監修 お茶の世界を身近に楽しめるカフェ OPEN 10:00 – 18:00 | 公式サイト |
| ひろしまIPPIN 広島城三の丸店 | 広島県広島市中区基町21 二の丸跡2号 営業時間 10:00~18:00 | 紹介ページ |
| 広島美術館 | 広島市中区基町3-2 中央公園内420 開館時間 9:00~17:00 休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日休、特別展会期中は開館) 年末年始、展示替え期間、臨時休館日 | 公式サイト |
| 広島電鉄 | JR広島駅を起点に、広島県市内を中心に走る路面電車 運賃:240円 | 公式サイト 広電の乗り方を解説しているサイト |
| 広島バス | 広島市内を中心とした路線バス 運賃:240円 | 公式サイト 広島バスの乗り方降り方完全ガイドのサイト |
広島・宮島観光で利用したツアー
今回の広島旅行では、近畿日本ツーリストの「ダイナミックパッケージ」を利用しました。
新幹線とホテルをまとめて予約できるプランです。
今回の私たちの条件では、大人2名1泊2日
- 通常予約(新幹線+ホテル):92,040円
- ダイナミックパッケージ:83,400円(朝食付き)
→ 8,640円お得になりました!
※2026年3月時点の料金例です。
※価格は日程・空席状況により変動します。
新幹線と宿泊を一度に予約できて便利な上にお得なので、広島旅行をご検討の方は一度チェックされてみると良いと思います。


